SNSでご報告した通り、2024年11月12日にApache Hiveコミッターに就任しました。
Hello world! I'm thrilled to announce that I am now an Apache Hive committer. I am more than happy to take on this role and make further contributions in the future.https://t.co/Qv5hiZHRRn
— おくみん (@okumin) November 12, 2024
Apacheプロジェクトにおいて、コミッターというのはソースコードに対する変更権限を持った個人を意味します。Apache Hiveの場合、現在111名がコミッターとしてリストに記載されています。
2023年5月19日にコミッターになると決意してから、コツコツとPull Requestを送ったり、コードレビューをしたり、メーリングリストで人助けをしたりしていました。多くの人にこれらの活動を支援してもらいながら、ついにHiveコミッタークラブへ招待していただくことができました。
もともとHiveコミッターになろうと思ったのは、それがTreasure Dataで開発しているバッチ処理システムを成長させるのに最も現実的な手段であったからです。Hive本体が自分たちの望む方向へ進化するのを後押ししたり、Hiveのリリース時期を予測可能にしたりするには、Pull Requestをマージする権限やApache IDが必要だと考えていました。
今振り返ると、そんなものはほんのおまけでしかありませんでした。OSS開発には無数のチャレンジがあります。100万行以上あるHiveのソースコードはどこを切り取っても難解だし、日本から参加すると時差や言語の壁は避けられません。信頼もゼロ、なんならマイナスの状態から開始する必要があります。それらを一つ一つ乗り越えるうちに技術力や信頼関係、またソフトウェアへのオーナーシップを得ることができました。そして自分と同等以上の経験をした100人以上の開発者が単一のApache Hiveというプロジェクトを支えている。OSSが持つ競争力の源泉を以前よりも強く実感することができています。
本物の感動は体験してはじめて味わうことができます。もしこの記事を読んで少しでもOSSへの貢献に興味を持った方がいたならば、ぜひ一歩踏み出してみてください。いつの日か本来の目的、例えば特定のバグが修正されてほしいという望みやメンテナーになりたいという願い、そういったものよりも多くのものを得ていることに気づくでしょう。
そして最後に、私の活動を日頃から応援してくれている皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。