おくみん公式ブログ

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株式会社ドワンゴを退職しました

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平成三十一年四月十四日をもって株式会社ドワンゴを退職しました。
そのご報告と、ほぼプログラミング経験のない自分をエンジニアとして採用し、様々な経験を積ませていただいたドワンゴの皆様へ感謝をお伝えしたいと思います。

思い出

私は 2013 年に新卒採用を経てドワンゴに入社しました。
今でこそ少数精鋭で優秀な方しか入れないドワンゴですが、当時はポテンシャル枠のようなものがあり、たまたま*1入社することができました。
なぜ入社できたのか今でも全く分かりませんが、内定者懇親会などで出会った同期のみんなが優秀過ぎて入社までの間泣きそうになりながら修行したことを覚えています。
入社後は主に Scala を用いた niconico アカウントシステムの開発及び Hadoop を用いたデータ分析プラットフォームの提供に携わっていました。

niconico アカウントシステム

入社してから最初の約三年間は主に niconico のアカウントシステムと呼ばれる、ユーザー属性や認証情報を管理するプロダクトを開発していました。
niconico はニコニコ動画やニコニコ生放送、ニコニコ静画など様々なサービスを提供していますが、もともとはニコニコ動画から始まったサービスです。
なのでアカウント管理機能もニコニコ動画の一部として実装されており、他のサービスは API 経由でニコニコ動画に対してユーザー属性等の取得を行っていました。
巨大なニコニコ動画からアカウント管理機能を引き剥がし、かつ Scala でリプレースする、というのが最初に配属されたチームのミッションでした。

非常に高い可用性や性能が求められるシステムで、戀塚さんを含む強力なメンバーがアサインされており、エキサイティングな日々を送ることができました。
技術的な話は同じチームにいた方が ScalaMatsuri で発表しているのでそちらに譲ります。なお私も 10 万行以上書きました。

togetter.com

データ分析プラットフォーム

後半の約三年間は Hadoop を用いたデータ分析プラットフォームを提供する業務に従事していました。
Hadoop 用のハードウェア選定やセットアップから Hadoop クラスタの運用、ETL アプリケーションや認証認可情報を管理する Web UI の開発などなど業務内容は多岐にわたります。
片手で数えられるような少人数チームでこれらをこなしつつ、ハードウェアの刷新や非 Hadoop コンポーネントの実行基盤として Kubernetes クラスタを構築・管理するというパワフルなチームでした。

ちょうど古いハードウェアや古いバッチアプリケーションのリタイアがほぼほぼ終わったところなので、ここからが面白いフェーズだと思います。
興味ある方は apply してみることをオススメします。

The Next Chapter

2019/4/15 からはとあるグローバルカンパニーの東京オフィス*2で働きます。

ドワンゴはオリジナリティのあるサービスを生み出しており、高度な技術を持ち、そしてこの上なく自由な文化を維持しています。
自分の仕事に誇りを持つことができ、尊敬できる仲間と働くことができ、社内環境含む待遇もよい素晴らしい職場です。
社内で飛び交っている「生涯ドワンゴ」という言葉がその証左ではないかと思います。

そのような環境ゆえ、これまで転職したいというモチベーションを強く持つことはありませんでした。
ただ Hadoop の運用をしているうちに、二つのチャレンジに関心を抱くようになりました。
一つは大規模データを扱うシステムにもう少し開発よりの部分で携わりたいというもの、もう一つはグローバルな環境での開発を経験してみたいというものです。

ドワンゴでの経歴を見てもらえばわかるように、私はアカウントシステムでのプログラミングと Hadoop 運用の両方にそれなりの期間携わってきました。
また趣味で Java で実装された Fluentd を開発したりなど、ミドルウェアに近い部分のプログラミングにも多少造詣があります。
自分が持つすべてのスキルを活かし、コミュニティ版*3の Hadoop を運用してパッチを開発していたり、あるいは大規模データの処理をするシステムを自分で開発したりしている環境に身を投じてみたかった、というのが一つ目のモチベーションです。

また現在グローバルで普及しているサービスや技術の多くは US で生み出され、US で開発されています。
そのパワーの源泉は……正直よく分かっていませんが、少なくともソフトウェアに関する分野は北米が中心に位置していると感じています。
そういった文化に触れてみたかったというのが二つ目のモチベーションです。

これらの課題にドワンゴで挑戦することは難しく、また運良く上記の二つを満たせそうなポジションでオファーをもらえたため、転職することにしました。
英語には結構な不安がありますし、なんなら技術的についていけない可能性もゼロではないですが、迷ったらチャレンジするという姿勢で前に進もうと思います。

最後に繰り返しになりますが、素人同然だった私を採用してくださり、様々な経験をさせていただき、また新しいチャレンジを応援してくれたドワンゴの皆様に感謝を伝えたいと思います。
六年間、ありがとうございました。

*1:これは誇張でもなんでもなく、文系な上に同時に受けていたほとんどの会社は一次面接で祈られました

*2:流行りの GAFA ではないです

*3:ドワンゴでは Cloudera のディストリビューションを用いてデータ分析プラットフォームを構築しているため、Hadoop そのものに手を入れるチャンスはほとんどありません